このスピーカー、音はすごく気に入っていたのですが、導入時から同様の不具合があって購入後3年間で、ドライブ基板交換を2回、丸ごと交換を1回やってもらっています。
で、毎回壊れるのは前回修理に出した方なんですよね。
前回修理から戻ってきた時に念のためスピーカーの左右を変えていたのですが、今回も壊れたのはやっぱり前回修理に出した方。
さすがに今回で4回目だし保証も切れていたので、壊れていないスピーカーの部品を使って切り分けしてみると、写真のトランスの隣の電源基板が不良のようです。
そして分解してわかったことは、素子の固定用途であちこちに無造作に塗られている接着剤が、変質して導通状態になっていたこと。それから素子単位で同じ部品を交換しようとしても、中国製で手に入りにくいこと。
これではまた修理しても、すぐに故障してしまいそうなので、Precision 6D の修復はあきらめることにしました。
で、後継を選択するにあたって考えたことは
- Precision では残留ノイズが高めでニアフィールドでは結構気になるレベルだったので、カタログ値で小残留ノイズレベルがうたわれていること
- 6インチの音圧感と同軸スピーカーの定位の優位性に慣れた耳でも満足感を得られること
- 和風8畳程度の部屋に見合ったものと考えると、前面バスレフと5〜6インチ程度のユニットを備えていること
で、結果として選択したのが NEUMANN KH-120A。
最初に見た時は小さいな〜 と思ったのですが、それに不釣り合いなくらいの立派な電源ケーブル (外径 10mm のケーブルで二極アース付きプラグ) が付属していて、音へのこだわりが感じられます。
肝心の音については、1週間ほど夜通しのエージングを行ってから、Logic Pro のテストトーンでパンニングを左右に振ったりしながら後面の Acustical controls を設定した後、いろいろなソースを確認してみました。
驚きました。Precision 6D より1サイズ小さいのにも関わらず、中低音域も、音の定位も、Precision と違う次元といってもいいほど良いです。
低音は、自らの重量で抑えられないほど出るため、制振ゴムを敷かないと若干のビビリ感すらあるほどだし、音圧が体に響く感触があります。木造畳部屋でこれなので、環境によってはもっとすごいかもしれませんけど。
音の定位についても、楽器ごとの表情をすごく良く捕らえられるし、それぞれの位置、リバーブの掛かり具合も良くわかります。なんというか、聖徳太子になった気分。
音量の幅も扱いやすいし、これからは音楽をより楽しむことができそうです。
ただ、気になったのが NEUMANN ロゴを DipSW で点けない設定にしても、微妙に点灯するところ。
このスピーカーの残留ノイズは、カタログ上10cmの距離で20dB以下と低いことと、後面に電源スイッチが1つしか付いていないことを考えると、常時電源オン状態とするのがいいのかもしれません。
(おまけ)
ついに Logic Pro はバージョン 9.1.6 でバウンス処理をマルチコアでやってくれるようになりました。
App Store でもだいぶ安く購入できるようにもなったし、これから始める人がうらやましいです。