Saturday, January 28, 2012

Precision 6D 引退につき

今年に入ってから、TANNOY Precision 6D が電源を入れるたびにものすごいノイズが出るようになってしまいました。

このスピーカー、音はすごく気に入っていたのですが、導入時から同様の不具合があって購入後3年間で、ドライブ基板交換を2回、丸ごと交換を1回やってもらっています。

で、毎回壊れるのは前回修理に出した方なんですよね。

前回修理から戻ってきた時に念のためスピーカーの左右を変えていたのですが、今回も壊れたのはやっぱり前回修理に出した方。

さすがに今回で4回目だし保証も切れていたので、壊れていないスピーカーの部品を使って切り分けしてみると、写真のトランスの隣の電源基板が不良のようです。

そして分解してわかったことは、素子の固定用途であちこちに無造作に塗られている接着剤が、変質して導通状態になっていたこと。それから素子単位で同じ部品を交換しようとしても、中国製で手に入りにくいこと。

これではまた修理しても、すぐに故障してしまいそうなので、Precision 6D の修復はあきらめることにしました。

で、後継を選択するにあたって考えたことは
  • Precision では残留ノイズが高めでニアフィールドでは結構気になるレベルだったので、カタログ値で小残留ノイズレベルがうたわれていること
  • 6インチの音圧感と同軸スピーカーの定位の優位性に慣れた耳でも満足感を得られること
  • 和風8畳程度の部屋に見合ったものと考えると、前面バスレフと5〜6インチ程度のユニットを備えていること
Precision 6D の残骸を横目に、だいぶ悩みました。

で、結果として選択したのが NEUMANN KH-120A

最初に見た時は小さいな〜 と思ったのですが、それに不釣り合いなくらいの立派な電源ケーブル (外径 10mm のケーブルで二極アース付きプラグ) が付属していて、音へのこだわりが感じられます。

肝心の音については、1週間ほど夜通しのエージングを行ってから、Logic Pro のテストトーンでパンニングを左右に振ったりしながら後面の Acustical controls を設定した後、いろいろなソースを確認してみました。

驚きました。Precision 6D より1サイズ小さいのにも関わらず、中低音域も、音の定位も、Precision と違う次元といってもいいほど良いです。

低音は、自らの重量で抑えられないほど出るため、制振ゴムを敷かないと若干のビビリ感すらあるほどだし、音圧が体に響く感触があります。木造畳部屋でこれなので、環境によってはもっとすごいかもしれませんけど。

音の定位についても、楽器ごとの表情をすごく良く捕らえられるし、それぞれの位置、リバーブの掛かり具合も良くわかります。なんというか、聖徳太子になった気分。

音量の幅も扱いやすいし、これからは音楽をより楽しむことができそうです。

ただ、気になったのが NEUMANN ロゴを DipSW で点けない設定にしても、微妙に点灯するところ。

このスピーカーの残留ノイズは、カタログ上10cmの距離で20dB以下と低いことと、後面に電源スイッチが1つしか付いていないことを考えると、常時電源オン状態とするのがいいのかもしれません。




(おまけ)

ついに Logic Pro はバージョン 9.1.6 でバウンス処理をマルチコアでやってくれるようになりました。

App Store でもだいぶ安く購入できるようにもなったし、これから始める人がうらやましいです。